鬼龍院翔

【特典ゼロ】金爆のプロモーション戦略の光と影

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鬼龍院翔インタビュー.jpg

興味深い記事が(^_^)⊃

藤谷千明が驚異的な「リーチ力」を分析
特典ゼロ、10円着うた、パロディ動画……金爆の巧みなプロモーション戦略とは?
2014.08.14
 8月20日にリリースされるゴールデンボンバー(以下金爆)のニューシングル『ローラの傷だらけ』は、ストーカー的ともいえる一方的な愛情を王道のヴィジュアル系サウンドに乗せたロックチューンだ。
また、CDのジャケットにはメンバーの写真は無く、タイトルとバンド名のクレジットのみのシンプルなものとなっており、値段は461(白い)円+税とダジャレになっているのが彼ららしい。
 CD発売に先駆けて、本作のPVも所属レーベルのYouTubeチャンネル「zanyzapofficial」にて公開され、すでに20万再生以上を記録している。


「ゴールデンボンバー/ローラの傷だらけ Full size(音声モノラル64kbps)」
 そして、今回のCDでPVやジャケット以上に話題を集めているのは、握手券やDVD、写真などの販促特典を一切付けず、当然初回盤や通常盤といった「複数売り」も無しという「特典ゼロ」展開だ。
リーダーである鬼龍院翔(ボーカル)は自身のブログ(6月27日)にこのリリースに至った理由を「CDを売るためにやっていることが『何かズルをしている』と捉えられてしまうことが多い。変な話だが、これで他のアーティストも“特典”を付けやすくなるんじゃないかな」と語り、売上枚数の予想(前回のシングルの3分の1である約3万枚)までしている。この発言はネットニュースにも多数取り上げられ、物議を醸し出した。
金爆のプロモーション戦略の光と影
 そもそも、金爆とは、雑誌やメディアに広告費を使わずに(「エアーバンドだから」とブレイク以前は雑誌から門前払いを食らっていたという理由もあるが)、手に取りやすいワンコインCDを販売することや、自ら身体を張ったおもしろ動画やパロディ動画をニコニコ動画にアップしたことにより、ファンの口コミで広まったバンドである。
 代表曲『女々しくて』にしても、当初は主にV系ファンの間で盛り上がっていた所に、「パクられる前に自らパクってみた」(http://www.nicovideo.jp/watch/sm10692856)というパロディ動画がきっかけでネットユーザーからも脚光を浴びることになり、現在のブレイクにつながっている。
 その後も2011年11月には、『酔わせてモヒート』のリリースに合わせて10円で着うたを配信し、着うたランキング上位をゴールデンボンバーの楽曲で1位から20位までジャックしたニュースはTV番組でも取り上げられるなど、「拡散しやすい」話題作りに余年がなかった。
 2012年の末には紅白歌合戦に出演し、記者会見では樽美酒研二のシモネタ発言に加えて、本番での観客も巻き込んだ「お面」パフォーマンスはお茶の間にも衝撃を知名度を不動のものにした。
 楽曲の良さと「エアバンドだから」こそできるおふざけパフォーマンスを武器にして絶好調と呼べる状態であった金爆に、ひとつ転機が訪れる。2013年の『Dance My Generation』は初登場1位、過去のリリース作品、関連作品も含めて13作品同時にオリコンチャート100位圏内にランクインという快挙をなしとげたのだが、リリース時の「特典」のひとつである握手会の参加権は、対象店舗にて、『Dance My Generation』含めて過去のリリース作品を3000円以上購入しなければならず、そのハードルの高さからファンから戸惑いの声が多数あがった。
 それを受けて当時の鬼龍院のブログに「次回のシングルは握手会等の特典一切無しの一種売りにしたいと思います!?その売り上げの差を見てまた音楽業界の現状を感じて下さい!」「売り方の面でファンの方々に少なからず迷惑をかけてしまったのでリーダーの僕としてはあまり手放しでは喜べません。」「次にCDを出すときはファンの方々を困らせないようにしたいです。」(http://ameblo.jp/kiryu-in/entry-11444963450.html)とあるように、今回の「特典ナシ」リリースにつながる事件であったように思える。
 また、当初はファンの口コミやネットニュース媒体を利用することで、「広告費ゼロ」戦略の金爆だったが、バンドの知名度が大きくなりすぎて、メンバーのTwitterでのなにげないつぶやきやブログの内容まで、逐一ネットニュースになり不本意な形で拡散されてしまうという状況になっていた。
極めつけは今年の1月、Twitterで引越し業者が鬼龍院の引っ越し先住所に関わるツイートをし炎上、さらに、『101回目の呪い』リリース時のテレビ番組の企画で行われたゲリライベントで、特典の握手券は抽選というシステムにもかかわらず、イベントでの購入者と握手してしまったことでファンからの苦情が殺到。「僕が呟くことによってその結果、巡り巡って誰かを傷付けてしまうこのツールは重い、悩んでしまう」「何でもニュースになってしまうのは気が重い」とTwitterを退会するという事件があった。これまでの「戦略」だったものが裏目に出てしまった結果といえる。
 とはいえ、鬼龍院自身は「日経エンタテイメント!(2014年9月号)」のインタビューで「戦略ではない」と言っているものの、売れなかったとしても「これだけ売れませんでした」というニュースになってしまうことが予想されるし、(シングル「ローラの傷だらけ」鬼龍院翔インタビュー)公式チャンネルにアップロードされたリリースインタビューも既に7万PVを越えており、音楽サイトでこのようなことを書くのもアレなのだが、下手な音楽専門誌やメディアに露出するよりも、確実に「見られて」おり、宣伝効果は抜群だ。金爆のプロモーションの巧みさが伺える。
音楽CDを売るということ、買うということ
 また、今回のリリースに対して、ブログやインタビューで「音楽”だけ”を売りたい」という発言が目立つ鬼龍院だが、こういった発言をすることによって、逆に「特典もつかないけどこのスタンスを応援するために複数買おう」というファンも少なからず出てくるのではないだろうか。
 2011年に事務所移籍トラブルにあった鈴木あみのCDを一斉に買って応援しようと呼びかけたケースや、05年にリリースされた『ハッピー☆マテリアル(テレビアニメ『魔法先生ネギま!』主題歌)』をオリコンチャート1位にしようというケースなどが有名で、「応援」するためにCDを買うことは熱心なファンにとってはさほど不自然なことではない。オフィシャルでつける「特典」以外にも「応援する」という意味での付加価値は現在の音楽市場では、なかば当たり前のことになっているのだ。
 オリコンチャートが日刻みで公開され、それに一喜一憂するアーティストも少なくない(個人的な観測範囲だとアイドルとヴィジュアル系バンドに多い)昨今、チャート結果を見て自発的に複数枚購入するファンの出現も予想される。
 この「実験」の結果は、「音楽CD」を取り巻く状況を一変させることは無いと思うが、一石を投じることになるのは間違いなさそうだ。
■藤谷千明
ライター。ブロガーあがりのバンギャル崩れ。執筆媒体は「ウレぴあ総研」「サイゾー」「SPA!」など。Twitter
http://realsound.jp/2014/08/post-1084.html

共感したとこは
”下手な音楽専門誌やメディアに露出するよりも、確実に「見られて」おり、宣伝効果は抜群だ。金爆のプロモーションの巧みさが伺える。”
ってとこ。
売れても売れなくてもネタ(?)になるのってすごくね?




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