【情熱大陸】プロデューサーが綴る鬼龍院翔「シリーズ 決断~トップランナーの哲学~」掲載

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「J:COM」サイト内に、「情熱大陸」プロデューサーが綴る『シリーズ 決断~トップランナーの哲学~』というコラムがありゴールデンボンバー鬼龍院翔の記事が掲載されています。


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「J:COM」サイト内『シリーズ 決断~トップランナーの哲学~』
「情熱大陸」プロデューサーが綴る、鬼龍院翔の記事掲載
www2.myjcom.jp/special/column/ketsudan/201411_02/?cid=my_top_flash007
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文=毎日放送『情熱大陸』プロデューサー 福岡元啓
名曲「女々しくて」で一躍、国民的スターに上り詰めたビジュアル系エアバンド・ゴールデンボンバー。奇想天外な彼らのパフォーマンスには誰もが度肝を抜かれている。だが、その影には多くの挫折と努力があり、芸能界を生き抜くための強かな戦略があった。その風貌からは想像できない、実直な好青年のリーダー・鬼龍院翔。彼に深く共鳴し番組化したMBS「情熱大陸」プロデューサーが、鬼龍院の類い稀なる才能を綴る——————。
2年以上もの逡巡、そして彼らが起こした社会現象
A4サイズの紙2〜3枚に書かれた企画書には、取り上げる人の写真とプロフィールそして今後の予定などが書き連ねられている。こうした企画書を何枚も毎日のように目を通し番組化するかどうか判断していく————。そんな日常の繰り返しの中で、2年以上前、同じ人物の企画書が複数枚、舞い込み始めた。それが、ゴールデンボンバー・鬼龍院翔だった。
いつ、誰を取り上げるか————というのは、『情熱大陸』の番組づくりの根っこである。
だが僕は、「鬼龍院翔」の企画書を、誰もいなくなった深夜の会社のデスクでひとり見つめながら、なかなか決断できずにいた。なぜなら、鬼龍院翔がホンモノであるとは思えなかったからだ。いまとなっては、失礼な話かもしれないし、プロデューサーとしての目利き不足だったのかもしれない。初めての紅白出場の会見で下品な発言をして物議を醸したり、なにより、ミュージシャンなのに演奏しない!“エアバンド”ということにどうしてもついていけない自分がいた。
そんなプロデューサーをさておき、紅白に初出場した彼らは、年が明けてからもその人気にかげりが見えないどころか、ますます勢いを増すばかりだった。

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番組制作会社から、絶え間なく寄せられる“鬼龍院”企画書…。ホンモノでなければ、消費されてすぐに消えていく。どこまでも続く、サバイバルゲームの様相を呈する芸能界。そんな熾烈な環境の中で、“キワモノ”という言葉だけでは片付けられない社会現象を、彼ら自身が作り出していた。
いまだ続く彼らの人気と、その先鋭的な(というと言い過ぎか?)活動に、腰の重いプロデューサーもついに番組化の決断を下さざるを得なくなった。
“想像通りが一番嫌い”——。苦悩と、決意と、憧憬と
ただ、僕は単に、彼らの人気が続いていたから取り上げようと決めたわけではなかった。
他人と違ったことをすれば、何をやったとしても世間の半分は賞賛、半分は批判だ。当然、批判にはやっかみも含まれる。さらに限られたイスの奪い合いともなれば、批判に晒されることのほうが圧倒的に多くなる。
しかしながら、いや、だからこそ、どんなバッシングを浴びようとも、彼らは現状をとても楽しんでいた。いつかは終わる人生。ならば誰に何と言われようとも、自分の好きなように生きるのがベスト、そんな覚悟が彼らにはあったのだろう。
誰もが憧れる生き方、それを出来ないもどかしさ。何かを吹っ切ったようにそうやっていることへの憧憬を、僕は遅ればせながら鬼龍院に感じてしまったのだ。
インタビューで彼はこう答えている。
「同じ事をやっても意味がないし、想像通りが僕一番大嫌いなんです」
でも、自分の思うような生き方を、勇気を持って実行できるほど世の中は容易くない。
衝撃的なエアバンドが産まれたその訳とは…

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高校時代から人を笑わせるのが大好きだった鬼龍院は、芸人として生きる道を目指すが、鳴かず飛ばずの存在だった。心機一転バンドを組んでみたが、ここでも大問題が生じる。なんとメンバーのギタリストの演奏が、あまりにヘタだったのだ。
芸人で失敗した当時の彼にとって、次のステージで躓くことは致命的。そう自覚していただろう。自分だけのことを考えれば、解散して演奏のうまいギタリストを入れる、という選択肢もあったに違いない。
だが鬼龍院のとった決断は、メンバーを変えないままで勝負していく、ということだった。
情をとるか非情をとるか。鬼龍院は、情をとった。そして苦肉の策の末に産まれたのが、楽器を演奏しない“エアバンド”だったのだ。以後、それがオリジナリティとして大輪の花を咲かせることとなる。
お笑いに挫折した後、唯一残された武器。彼は、「これが当たらなかったら、いまだにバイトして親に顔向けられずこそこそ実家でパソコンをいじって過ごしていたんじゃないかな…」とも振り返っている。
目の前にある選択はどちらが正解か分からない。良かったか悪かったかなんて、所詮あとからつけた理屈でしかない。ただ言えるのは、選んだ人生の賭けが当たるか当たらないかは、その日、その日を真剣に自分と向き合って生きていく積み重ねの結果だ、ということだろう。
形に捕われる必要はまったくない
他人と違ったことをやる。彼らの奇想天外なオリジナリティは、演奏形態だけに留まらなかった。
ゴールデンボンバーは、いわゆるメジャーデビュー(大手レコード会社からのリリース)を敢えてしていない。独立系のインディーズバンドといわれる彼らは、マネジメントからCDリリースまで、すべて自分たち内部のスタッフでまかなっている。潤沢な宣伝費はないが、他人が介在しない分、より自分と向き合うことができ、自分の想いが伝わりやすい表現形態になっているというわけだ。
インディーズで成功する————。これは、世間でインターネット・SNSが発達した時期とLINKしているように感じる。大きな組織を使わなくても、個人発信でそれなりに影響力を与えることができる時代になってきた。
別の見方をすればゴールデンボンバーの成功は時代を映し出す、一例ともいえる。
一昔前のミュージシャンたちはメジャーデビューが目標だった。でも、いまは、形式よりも自分の好きなことで、成果をだしてきっちり生きていくことのほうが大切なのだ。彼らだけでなく、才能を持った他業種の若者たちも昨今それを実証している。
受け答えに垣間見えた現代の肖像

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ゴールデンボンバーがそうした存在であるように、番組も型にはまることなく柔軟に作りたかった僕は、『情熱大陸』を作ったことのない30代の若手ディレクターを起用した。眼鏡で短髪の黒髪、ぽっちゃり体型といった、およそビジュアル系バンドとは程遠い風体のディレクターくんが、思い切って鬼龍院にした質問がある。
2年連続、紅白出場が決まった去年(2013年)の大晦日。
鬼龍院は、いつものようにサングラスにマスク姿で、僕たちの前に現れた。機嫌がいいのか悪いのか、これでは表情から伺い知ることができない。だがこの日、どうしても聞きたいことがあった。披露するのは「女々しくて」。1年前と同じ曲だったからだ。
同じ曲で出場することについて彼はどう思っているのだろうか。
会場に向かう車の中で、その質問をぶつけると、組んだ手のひらの指を少しもじもじさせながら、しばしの間のあと、はっきりと彼はこうこたえた。
「うーん…出られることはありがたいので、でも出来る事なら大ヒット曲があれば別の曲になるわけですから」
そしてこう続けた。
「僕の力不足です」
印象深いシーンだった。イメージ重視のミュージシャンは、こうした質問に虚勢をはったり、はぐらかしたり、はたまた傍にいるマネージャーが「今の質問はなしで」と言ってくるのが常套だ。けれど、そんな姿勢はかえってイメージダウンになる。
このインタビューのとき、鬼龍院の眼差しがきちんとまっすぐ前を向いていたのは、ティアドロップの濃いサングラス越しからでも伝わってきた。
彼らが歩んできた“個”が問われる現代に、周囲が作り上げるイメージで乗り越えられるほど世間は甘くない。正直な答えができるのもまた、彼をはじめとするゴールデンボンバーが、個人発信で生き延びてきた証しだろう。
鬼龍院は言い切る。100組バンドがあって99組が格好よかったら、格好悪いバンド1組が目立つ。と。
格好悪くったって、自分たちが面白ければそれでいいわけだ。
“個”として生きる、ということ
情熱大陸・鬼龍院翔の回は、今年(2014年)の第一回目の放送を飾った。
新年1回目の放送内容はその年の番組全体の決意表明でもある。その最後で、鬼龍院に新年の抱負を書いてもらった。
いつも、彼が作詞のときにノート代わりに利用するマクドナルドのお手拭きに、筆ペンで。そんな頼み事をしたディレクターに、笑いながらこたえてくれた鬼龍院。その薄っぺらな紙には、“目の前のことを精一杯がんばる”と書かれていた。
「シンプルだけどごちゃごちゃいわずに目の前のことを精一杯頑張る。一番大事だと思いますよ」
その日、その日の積み重ねが、今から未来へと繋がってゆく。
彼らしい言葉だった。
最後の最後に、今年も芸能界で生き残っていけるか、と聞いてみた。
「テレビ業界はわかりません。でもゴールデンボンバーとしては生き残りますよ。たくましく」
“個”として生きる術を身につけた者は、いつの時代もたくましい。
www2.myjcom.jp/special/column/ketsudan/201411_02/?cid=my_top_flash007
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ちなみに第1回は読売巨人軍 原辰徳監督です!
www2.myjcom.jp/special/ketsudan/201411_01/

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